GAPの源流 – クリスの拠点「Tribal Ground」現地レポート

先月、オープンセンス代表で通訳を務める丸山智恵子が、
ゲシュタルト・アウェアネス・プラクティス(GAP)創始者である
クリスティン・プライスのアメリカでの活動拠点を訪れました。
それは、GAPの源流に触れる旅でもあったようです。
丸山からの現地レポートとしてご紹介しますね!


先月、クリスティン・プライスが現在拠点としている
カリフォルニアの Tribal Ground に行くことができました!

私がエサレンやスタディグループに3-4年通ったのもすでに15年ほど前になります。
クリスは数年前に、GAPを教える拠点をエサレン研究所から
こちらの Tribal Ground にシフトしており、今回初めての訪問が叶いました。

Tribal Ground があるのは、サンフランシスコ空港から車で1時間半ほどの場所。
クリスの次女 ルディー が車で迎えに来てくれました。
最初にルディーにエサレンで出会ったのは、彼女がまだ小学生の頃でした。
当時からその目の深さが印象的でしたが、今や彼女も大学院生。
大学を卒業してから、クリスが行うGAPグループのアシスタントを数年務めた後、
心理学・セラピーと仏教を統合している大学院に進み、
現在は西洋と東洋の学問を組み合わせたカウンセリングを学んでいます。

いよいよ、クリスの本拠地かつ住まいである Tribal Ground に到着しました!

広大な敷地にニューメキシコ風の素敵な建物、広大な空を見渡せる庭、
周りの森、少し丘を歩いて上がると小さなベンチと滝、
(エサレンにあるディックのメモリアルと似ています)
個人セッションができる小さな部屋、
その上に、やはりエサレンからの同志であるドロシー・チャールズの住まい、
さらに上には、スタディグループなどに使われているビッグヤート・・と続き、
全てを見ることができないほど本当に果てしない大きさでした。
まさしくミニ・エサレン!と思う場所。


現在のオーナーがクリスの知り合いなのですが、前のオーナーが
ワークショップのために使っていたのもあり、自然豊かな静かな場所で、
クリスが一目で「思い描いていたのはここだ!」と思ったのがうなずけるほど、
落ち着いてワークができる理想的な環境でした。

また、それ以上に今回確信したことがありました。
GAPはクリス本人のプラクティスであるのはもちろんですが、
長年GAPの伝統を支えて来たクリスの家族、友人、
シニアティーチャーたちなど、沢山の人々による
「コミュニティのプラクティス」である、ということです。

ワークの時間だけではなく、自分自身でいる時間、人といる生活、
そして、人生そのものに流れているプラクティス・・。


(クリスとドロシー•チャールズの打ち合わせ)

滞在している間、ドッグレスキューの仕事をしているクリスの長女ジェニーと、
その娘(クリスの孫)ルビーにも会うことができました。
ルビーと前回会ったのは、彼女が2歳のとき。
当時からやはり赤ちゃんながらも、どこか目の深さが印象的でした。
今はもう17歳の高校生になっていて、免許もとったばかり!

そんなルビーの佇まいを見たり、その友達や若いスタッフとも一緒に過ごして、
GAPが生き生きと、この世代の生身の人間に生きているなあと強く実感しました。
言葉では表現しづらいのですが、
それぞれがしっかりと自分にいるという感じと、
周りを尊重し、お互いへのさりげない優しさに溢れているという感じでしょうか。


(左端が次女ルディー、左から三番目の子が孫のルビー、右から二番目が長女ジェニー、右端がクリス)

自宅にはグループドッグとしても活躍している優しいパロマという犬がいて、
その大きさと温もりで、時差ボケの私を癒してくれました。
帰る頃には、2時間ずっと撫でていても飽きないほどの仲になりました。

最後に別れる時に、次女ルディーが伝えてくれた言葉がとても印象的でした。

「私は本当に恵まれていると思うわ。小さい頃から両親に大切に愛してもらって。
しかもその愛を私の周りの人たちともシェアできているのがとても嬉しいの。
高校生の時は、私の友達で恵まれない(親に大事にされていない)友人が、
みんな家に遊びに来て相談したりして、ママとパパから愛をもらっていた。
今も、本当に色々な人がワークを通じてその愛を一緒に受け取っているし、
私の両親が、グループの人や私のパートナー、みんなにとって家族のような存在になっているのが本当に嬉しい」

それに対して私が、
「日本の私たちも、まさしくその愛を長い年月受け取っているのよ。
それはすごく光栄なことだと思っているの。
クリスへの感謝はもちろんだけど、今のご主人のスティーブも、
ルディーも長年それを可能にしてくれてありがとう」と言うと、

「そうよ!だから日本のGAPメンバーの方達とも早く会いたいの。
だから、ぜひ来年できるならみんなで来てね。私も日本に行くつもりだから!
来年は少し時間が出来そうだから、一緒に日本に行けるかなー(笑)」
と話していたところで、バスが到着し、お別れのハグとなりました。

ディックとクリスのもとでエサレンから始まったGAPのコミュニティは、
ディックが不慮の事故で亡くなった後にも、
その伝統を支えるコミットメントをしてきたクリスと今の家族、
そしてGAPスチューデントやスタッフたちのコミュニティに引き継がれています。


(フリッツ•パールズや、ディック•プライス、アラン•ワッツなど、”ご先祖”たちの貴重な写真)

そこからGAPを決してただの心理のテクニックとしてではなく、
日々を生きる中での実践として、
そしてお互いに一緒にいる温かいあり方そのものとして、
日本に伝えてもらっているんだな、と改めて確信しました。
私自身もまた一周回って、初心に帰った思いでした。

クリスからも「まだこの場所を使えている間に来てね!」と提案されています。
興味のある方がいたら、来年の夏頃などにカリフォルニア・スタディツアーも企画したいという思いが湧き上がっています。
ぜひ実現できたら・・と楽しみにしています。

9月のクリス来日プログラムでは、スタディグループやワンデー、イブニングでも、
「人との関わり、人間の発達、プレゼンス…”いる”ということ」にフォーカスしていきます。
ぜひご一緒に探求を深めつつ、楽しみましょう!


<2018年 来日プログラム>

クリスティン・プライスの来日プログラムが決定しました!
今回は人と人との関わりあいの中で生まれるテーマを扱っていきます。
初めての方から経験者向けまで色々な種類がありますので、ぜひご覧ください。

9/28(金) ワンデー・プログラム
「関わりあいのエッセンス」
(経験者向け)※早割8/28まで

9/28(金) イブニング・プログラム
「プレゼンス − “ともにいる”ことのアート(技術)  」(初参加OK)※早割8/28まで

9/30(日) – 10/5(金)第2期スタディーグループ 第4回リトリート(申込締切)

10/7(日)-8(月) オープンシート 2日間(経験者向け)

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